全体としてはまあしょうもない映画だと言っていいと思う。
これまでの北野武作品に持っていた違和感が、特に顕著に現れていてその正体が結局“ショートコントの集合体として映画を撮っている”ことだと判ったなぁ。
一つ一つのシーンが短編の、ちょっとした笑いや暴力をオチとして使用する作品として成立しているのでテンポが良かったりするだけで2時間の映像作品となりきれていない…と言うか、2時間の映像作品にする理由が存在していない。
多分、日本的である事だけを味わおうとしている愚かな外人や、2時間のストーリーを理解する能力に欠けた輩にはそこが理解しやすさとなって受け入れられるのだろう。
これまで、乾いた笑いと素敵な暴力描写でアウトローを描くというなかなか競合がないジャンルで撮っていた。そして何よりビートたけしというネームバリューもあることであまり批判されることもなかったけど、『首』によってその薄っぺらさが明確になったんじゃないだろうか。
『ひょうきん族』の1コーナーとして5分×2クールとかで放送してても成立するくらいのクオリティだなぁ。
そして、これはやっぱり言っておかなければならないと思うんだけど、歴史的事実に対するナチュラルな無学さが…酷過ぎる。
原典なんて一切読んだことないんだという事がよく判る。
あと、しれっと『影武者徳川家康』パクってるよね?
夜は某氏と渋谷でサシ呑み。
以前に伊集院光氏が勧めていた罠で呑み喰い。
楽しくあれやこれ喋って。
ジビエも美味い。何喰っても美味い。また行こう。