20211108

 Twitterで“メンタルに優しいテレビ番組一覧”とかいうリストが画像で少しバズっていて見たんだけど『タモリ倶楽部』が入っていて物凄い嫌悪感を抱いた。深夜番組の雄として80年代・90年代のサブカルチャーをエンターテインメント化し、およそ一般的ではない文物や人…それにはそもそもタモリも含むが、そうしたモノを軽やかに取り上げて来た番組が只々メンタルに優しい番組として入れられてしまっているというその現在の番組の在りようやら受け止める側の文脈を捉える能力のなさにヘドが出そうになるのだ。

 また、そこに並んでいる番組がジジイババアが薄らぼんやりと余生を消尽する為だけにあるような毒にも薬にもならない白湯みたいな番組ばっかりだったのも怖気立つくらい嫌いだった。
 テレビがつまらなくなったとか巷間口に上るけど、こういう番組がつまらない番組だろうよ。こういうのじゃないテレビ番組、いや映像が観たい。

 心の底からムカついたり、ゲロが出るくらい笑ったり、心を抉り取られたりしたい。
 子供・親族はおろか他人と一緒に観ることが憚られるようなエグイものが観たい。
 撮影のために人死にが出ていようがそんな些事はどうでもいいと言えるようなものが観たい。

 『ジャッカス』は個人的には好きではないけど、ああいうものもあっていいのだ。世界も人々も下品で愚劣なんだからそれらを反映していればいい。“メンタルに優しいテレビ番組一覧”なんてものを作ってSNSで共有しようという精神も愚劣だしそれに対してここでこうして書いてある文章だって下劣。あのような味もシャシャリもない番組が良いものという風潮に繋がらないように願うばかりだ。

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