第355回 「ですぺな!」


第355回 平成24年12月6日 「ですぺな!」 50分7秒



 先日は忘年会に御参加頂きました多数wの皆様、誠にありがとうございました。


 御蔭様で大変に楽しい時間を過ごせました。


 その際に収録していた音声が不幸な事故によりアレな状態なので、只今どうにかしている最中ですが、それ以外は完璧な会だったと思います。



 そして今回は久々の書籍回!


 ダンコンさんから御借りした森達也『死刑』を取り上げます。



 本は凄く面白かったぜ!



 今週の内容は…



  • 御借りした本について喋ります

  • 悪魔じゃないよ安田弁護士

  • 判る前提で言っちゃいけない

  • 引き下げられる感覚

  • そして『イッキマン』




平成24年11月16日に収録

コメント

  1. ダンコン より:

    ①差し上げたはずなのにお貸しした事になっている。
    ②gyasyaさんへ差し上げた本がダブる。
    ③「俺様が気になった所はここじゃ!」とあんた何様な態度で付箋をはりまくった罪が大きくでる。
    あ~~~もう本については煮るなり焼くなり食うなり紙飛行機るなりありおりはべりいますがるなりどうぞどうぞお好きにしてください。いらぬお気をつかわせて申し訳ない、あ~本当に申し訳ない(ペコペコ)している最中もガッチリガッチリ進んでいく死刑の是非について奥歯を噛み締めながらうなりながら歩きながら悩みながら聞いているとふいに、天才バカボンで出てきた「たたえよ鉄兜!」の鉄兜が旧陸軍でコンドームの隠語だった事をなぜか思いだしてしまった時のわたしの顔。
    >>横並び
    ネットの動きを見ていて感じるのは「ずるい」というネガティブな感情がその中での大きなウエイトを占めているという事です。何が何でもいい気になっている(ように見える)人を引きずり下ろして心の平穏を得たいのだろうなと。私の大嫌いな言葉”リア充爆発しろ”がここまで市民権を得たのもそうですし、ツイッターをサルベージ(飲酒等で検索)してバカッターとして面白がるのもそうです。執拗な生活保護叩きも。死刑賛成派の方の中にも「悪い事をして罰せられないのはずるい」と思っている方がおられるんじゃないかなと聞きながら思いました。相手の粗を探して晒せばそれだけで、自分は何もせずにほぼノーリスクで、相対的に自分の地位があがるとすればそれはまぁよろしい事で。

  2. 怪文 より:

    あ、Digで江川昭子と一緒に出て
    江川女史のいつもの(←一部書き損じ)ヒステリーを
    引き出した森達也さんだw
    死刑云々はそれこそ議論スレに持っていくほどの
    言いたいことを抱えていますが放送について
    「パズルピースの9割一緒なのに出来上がりは違う・・・」
    という印象になりました。
    「死刑は一旦停止して永久に検討」と仰るJUSさんと
    「死刑は現行のまま廃止に向けた議論を続ける(多分永久に)」
    で結果としては真逆で面白いものだなぁ、と。
    あ、私は
    死刑だけを取り上げて議論するのはおかしいが
    理想からすれば刑事罰の見直しの中で廃止
    となるならいい。
    端的に「死刑廃止に賛成だがそれが主意の論には反対」。
    …なので安田弁護士の立場とも真逆、ですかね。
    どこまでいっても「人が人を裁く」ことには
    矛盾が含まれるし心残りは含まれる。
    さらには不可逆であることは他の刑事罰でも同等だし
    (注:↑ここが必ず議論の分かれ目になる)
    じゃあアメリカみたく「合わせて懲役250年」が
    日本に馴染む気もしない。
    まぁ「お前は家族が殺されても~」のくだりはホントにそう。
    そう言いたい!ねじ伏せたい!っていう願望はわかるけど
    誰も「お前の家族が加害者になれば~」とは言わないね?
    …と思うあまりに不整合。
    ・・・くそう。JUSさんとダンコンさんの合わせ技で
    積ん読がまた増えたよ…。そろそろ贖罪読ませてよw

  3. 怪文 より:

    あ・・・忘れてました。
    わかる!めっちゃわかる!!(←震える声で)

  4. とっしゃん より:

    やっと、インターネットにつながったよ~(泣)
    なんだよ、この8とかいうのはよ!
    はっ、すいません。ちょっといろいろありまして。
    自死か・・・そうきますか。
    その考え方はありませんでした。
    僕はもともとは制度賛成よりの男だったのですが、だんだん軟化してきました。
    帝銀の件もそうですが、「あんなに冤罪があったらあかんわ」と。
    つまり、それくらいの段階の意見しかないわけですが(笑)
    で、一方、廃止賛成者がよく口にする「更生の余地」ってなんなの?とも思ってしまうわけです。
    そこをちゃんと説明できないなら、そんなあんたのいる社会には死刑制度があってもいいんじゃない?って思ってしまったことがあるのです。
    暴論ですね、すいません。
    実際に、被害者側にしろ加害者側にしろ関わってしまった場合どうなるのか、こればっかりは、わからないですよね、こればっかりは・・・。

  5. JUS より:

    >ダンコンさん
     あわわ、そうでしたかー。
     一応 気を使って風呂で読んでなかったんですが…、くそうw
     じゃぁとりあえず嫁さんと回し読みしますw
     付箋については結構 楽しませて頂きました。図書館なんかで線引いてあったりすると殺意すら抱きますけど、知ってる方の付箋は「お、こんな部分に琴線が」とか思えて面白いものですね~。往復書簡みたいで。
     いやホント、判り易い悪を叩くのって気持ちいいですからねぇ。インスタントジャスティスな感じで。電車内で大声のオッサンとかやっつけてて気持ちいいですもん、実際。否定しませぬ。
     しかも最近、特に多く見かけるのは「リスクも辞さぬ正義」に酔っちゃう人々。軍事ちょっと齧っただけで行った事もない戦争で「俺はきっと命も惜しまず戦うだろう」という幻想に浸りつつハト派をバカにする人とか。オナニーの回数多いだけなのにねぇ、とか思っちゃいます。
    >怪文さん
     いつものw
     最近は田嶋女史が愛せる様になって来たので次は江川女史ですねw
    「パズルピースの9割一緒なのに出来上がりは違う・・・」
     というのは凄く面白いですね。それだけで何だかうれしくなってしまいます。
     特に、刑事罰の見直しというのは全面的に必要だとも思います。非合理ですし、後、戦前の法律との連続性は一度断ち切るべきだとも思うんですよねぇ。余談ですけどw
     他の刑事罰でも不可逆だってのは確かにその通りですね。喋りながらそこのところは心によぎりつつもスルーしておりました。
     結局のところ、常に冤罪である可能性を胸に留めつつ、原則に忠実に遂行するしかないんだとは思うんですけどね。ただ、日本って「いっぺん決まった事に文句言うなや」な風潮まだまだありますからねぇ。いや、日本とは違うかもしれませんが。
    「お前の家族が加害者になれば~」
     についてで言えば、それ以前に「自分自身が冤罪で死刑になる」という可能性をどうしても拭えないんですよね。もっと言うと国事犯として死刑を受ける可能性、とか。
     そう考えると、国家の命じる死という現象自体に疑問符が、という…。
    >とっしゃんさん
     おお、8にされたんですね。
     僕自身もアップデートしようと思いつつ、でもメンドくせえなあと思いつつ、それでいて年内にやらないと値段が上がるなぁと思いつつ、多分、しばらく放置しますがw
     そして先日はありがとうございました。大変 楽しかったです。是非ともまた御会いする機会を頂ければ、その際はじっくりタイマントークで行きたいなぁと思いますがいかがでしょうか。
     「更生の余地」については…、確かに仰る通りなんですよね。
     日本の刑務所や更生施設、引いては小学校から高校教育に至るまで、余りにも仏教の、それも禅宗系の影響が強過ぎると思うんですよね。結局は修行・修練の延長線上じゃないか、と。
     規則正しい生活を送ることで心身を鍛え直し、使える時間は自らの内部を見つめ直し…という。“房”っつったりもする訳で。
     そういう、志願僧みたいな特殊な人種と犯罪者や異常者を同列に扱ってる時点で無意味だとは思います。結局、教育というのは洗脳に他ならない訳で、きっちりと再洗脳して犯罪性を減じる事が出来なければという風にすら思いますね。暴論ですねw
     「こればっかりは」で言いますと、僕自身、今の感情で言えばもし光市某事件の様な状況になれば「何で国が殺すねん。俺の復讐は俺のもんやんけ。俺に殺させろ」って思いますけど、実際にその状況になってまでそのモチベーションは保てないとも思うんですよね…。

  6. 怪文 より:

    えー。一点の関連質問ととっしゃん様の意見についての一意見をば。
    ①今の死刑囚、どうします?
    もし仮に死刑が全廃になったとして。
    今の死刑囚はどうしましょう?
    色々な選択肢、それこそ最大恩赦や再審って考えもありますが
    私は良かろうが悪かろうが改正については
    その結果を過去に遡るべきじゃない、と思うのです。
    よって今の死刑囚については変更なし、が妥当かなぁ、と。
    どんなもんでしょ?
    ②「更正の可能性」について。
    確かに報道される事件については身勝手かつ
    あまりに他を軽視したような事件が多い為
    「なにが更正の可能性じゃい!」となります。
    しかし私は
    「それでも赦しや更正を最大目的にしなければ
    と思います。
    援交の末金銭トラブルで女子高生を刺殺。

    そのオヤジを刺殺。
    このふたつが同基準かと言えば
    そうは思えず
    そう語るのであれば
    裁判ではなくハンムラビ法典サイコー!にならないか?と。
    …まぁそれならそれで
    ひとつの法治体制の至点であることは事実なんですが。

  7. とっしゃん より:

    名指しを受けましたので(笑)
    ①に関して言えば、再審は必要かと思いますが、どこからどこまでかは線引きを必要かと難しいですね。
    ②に関してですが、更生を目的とすること、そういった方向性を否定しているわけではありません。
    が、では何を持って「更生」とするのか、「更生」したらどうするのか、そういった点の議論をもっとするべきなのではないか思うのです。小松川事件のような例も含めて、「余地」があるとするなら、もっと議論すべきなのではないかと・・・。

  8. sato坊 より:

    死刑擁護派の藤井誠二さんとの対談「死刑のある国ニッポン」もすごいオススメです。「死刑」を読んだあとなら楽しめると思います。

  9. sato坊 より:

    ドラえもんの件に関しても、マスコミが断片的に報道してるから誤解を生んでますが、実際の話では、加害少年は最初からそれを主張していたらしいです。ただ、そのときの弁護士は安田弁護士ではなかった。当時の弁護士は「そんなこと言ったらまずい、といあえず罪を認めた上で謝罪すれば、今までの相場から言っても死刑にならない暗黙の了解がある」と言われ、少年はしぶしぶそれに従ったそうです。
    ただ、本村さんがマスコミに出てきて世論が沸騰し、差し戻しになって、暗黙の了解が崩れ去った。そのとき安田弁護士が引き継いだときに、加害少年がその件を主張したそうです。
    実際、安田弁護士の弁護団だけでなく、10人ほどの精神科医から精神鑑定を受け、少年の発言には当時の少年の精神状態から考えてありうるとされているそうです。
    少年は幼い頃から父親から虐待を受けており、母親が少年の目の前で首吊って死んでます。彼の事件当時の精神年齢は10歳程だったそうです。

  10. 怪文 より:

    >>とっしゃん様。
    えへへwサーセンw
    結構長い間の個人的関心事なものでどうしても…。
    あまり長々書いても結局個人の考えから脱しないため
    少しだけ。
    議論はとても大事。ここについてはなんの疑いもありませんが
    「既に大括りの議論は行き詰まりまできつつある」かなぁ?
    まず更生の最大の争点は
    ☆以降殺人を犯すことなく社会構成員として適正化できるか?
    だと思い、その為の裁判の要点として
    ・客観性を有し得る主観的事件の詳細を明らかにしている
    ・真摯な反省の態度と罪への理解が充分になされている
    ・(昨今では)対遺族からの承認(←これは本来からみると…
    あたりではないでしょうか?
    大きな意味として殺人が起こるスタートラインって
    『ほぼ必ず』
    性・金・尊厳・快楽
    の単一、あるいは複合であることが
    (変な表現ですが)
    『望ましく、これらに帰結できない場合異常状態と見られる』
    のではないかなぁ?という分析です。
    そしてこれらはとどのつまり導入の一端に過ぎず
    この先に個々の感情である、特異性である、何であるの
    瑣末でありながらも結局は事件そのものと言うべき
    色々な差異があるのだと思います。
    よって「更生の可能性」について。
    個々の判断によるものがあまりにも大きい為
    議論で大きな方針を、というのはそろそろ限界かなぁ、と。
    (もちろん明文化する、というのはありうるかも知れません)
    反論、というわけではありませんが
    「あー、あんな馬鹿げたこと言ってたわ。あの馬鹿w」
    程度でも是非構ってほしくてw

  11. ひろし より:

    今回のテーマ、重めですが面白く拝聴しておりました。
    「死刑ってまずシステムありきじゃ無いよね」
    はまずもっておっしゃるとおりです。が。
    僕の感覚からして死刑なしもありもスタートは同じというか・・・
    「あんな罪をおかしたなら殺す」
    「あんな罪をおかしても殺さない」
    は、殺す方が能動的でそれをするにはまず検討すべきって意見も分かりますが、たとえば3人も殺したのに殺した人を殺さないのもなんか、感覚的に違和感あるのです。
    それと、一緒にして良いかどうかですが、戦争って相手が悪い訳じゃなくても殺すでしょ。自分なりの正義に従ってだと思うんですが。
    これは差別の図式と共通の考えかもしれないですけど、「どんなことあっても殺人なんか犯さない軍」が「腹立ったからこっそり殺しちゃった軍(たいてい一人ですが)」に戦争を仕掛けて殺してるって図式も浮かんでたりして・・・。
    ここまでくるとさすがに非現実ですが。
    もとい、効率を考えるなら、つまり犯罪を防ぎたいなら死刑よりも効率的で経済的で簡単な方法はいくらもあるのですが、それでも死刑が必要な理由って結構ぼくらの納得感だったりするんですかね?

  12. JUS より:

    >sato坊さん
     お、御推薦ありがとうございます。
     ちょっと探してみます。まずは図書館w
     そして例の元少年。
     確かに、安田弁護士が入る以前は弁護団との間に断絶があった様ですね。
     その辺については先日、安田弁護士が『Dig』に出演していた際にも語ってましたね。
     一応、母親の死については「目の前で首を吊ったんではなく、ガレージで首を吊っていた母親を父親が台所の床に移動させており、それを目撃した」という話に訂正もしていました。
     マスコミ報道が断片的なせいなのか、この辺のディティールも正しく広まってないんでしょうね。
    >怪文さん・とっしゃんさん
     録ります?w
     でも結構マジにw
     更生については、どっちにするかって判断する必要もあまりないのかなぁという立場の僕です。
     刑務所という施設自体は全ての受刑者に対して、あくまでも基本的には更生を目的として欲しいなぁ、と思います。基本的には自由の制限と公民権の制限ってのが現行法下での懲罰だと思いますし。
     ん~、あんまり上手く言葉に出来ませんが、刑務所が更生の可能性を信じなくてどうするって思ったりするんですよね。少なくとも更生を口にするんだったらそれは最低条件よ、と。
    >ひろしさん
     ええ、結局のところ殺すという選択肢は現実的にはまだまだまだまだ充分あり得ると思うのは僕も同じです。
     ただ、殺すという選択肢ってどっしりと腰を据えて考えた上でなければ、解禁した途端にその行為に酔う感覚を誰しもが持っている行為だとも思うんですよね。
     例えば、日本の警察官は短銃を所持している訳ですが、あれにしたって死ぬか死なないかくらいの威力のゴムスラッグ弾で充分その目的は達成できたりする訳で。そういう事でもやって出来る限り殺さない方向性での模索ってのは重要だし、それがなければそれこそイスラームでの見せしめとしての刑罰に寄って行く性質のものだとも思うんですよねぇ。
     結局、納得感もありますし、殺したいという欲求の捌け口でもあると思います。ハッキリと判るものではないですけどね…。

  13. MasaruS より:

    ごぶさたいたしております。
    死刑のある状態で存置か廃止かを論じるのと、一旦死刑を停止して論じるのとでは意味が違ってくるというのは目から鱗でした。おもしろかったです。
    あるいは、議論を喚起するために、刑法をこんなふうに改正してみるのはどうでしょう:
    刑法第11条
    1. 死刑は、公開の場において、木槌で執行する。
    2. 死刑執行人は、選挙人名簿に登録されている者の中からくじで選定する。
    ….

  14. JUS より:

    >MasaruSさん
     こちらこそ御無沙汰しております。
     そしてあけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。
     そしてそしてぶっ倒れていたせいでコメントの御返事が遅くて大変申し訳ございませんでした。
     最近、この手の思想なんかが絡むネタを扱う際に、漠然とリスナーさん全体を想定するのと同時に、幾人かの特定の方を想定しつつそういった方に特に爪痕を残してやろうと思いつつ喋ってたりしまして。なのでそのMasaruSさんにそう仰って頂けるとニヤニヤしてしまいますw
     刑法改正案についてはそれもありですよね。
     現に、裁判員裁判においても、いざ自らが裁くとなるとその重責から重罰を避ける傾向にあると言いますしね。

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